僕たちの小指は数式でつながっている
僕たちの小指は数式でつながっている 著:桜町はる
注意:ネタバレだらけです。
ネタバレがお嫌いな方は読まないで下さい。ただしこれだけは覚えておいて下さい。
この作品は最低最悪のパクり作品なので間違っても購入しないで下さい。
素敵なのは表紙だけです。
時代を変えるほどの傑作、ベストセラーというものは存在する。
「博士の愛した数式」「君の膵臓をたべたい」そして映画「君の名は」この三作品はいずれも大人気を博したキラーコンテンツである。
その三作品をろくな描写力を持たない作者が堂々と剽窃したのが本作である。
まずヒロインは記憶力が一ヶ月しか持たない天才数学者の美少女という時点でお察しモノである。
更にその少女は自分の病状を用いた自虐ネタを披露し、主人公と『お友達』としてお泊まりデートに誘う。お察しモノだ。
挙げ句の果てには記憶力がなくなる病気が治るものの主人公のことを忘れ、でも記憶のどこかには微かに残っている。その面影を頼りに名前も知らない主人公を探すというラストもお察しだ。
唯一の特徴はヒロインが心臓移植の手術をしており、その心臓の元々の持ち主が主人公の幼馴染みであり、元恋人という設定だ。
心臓には記憶があり、その前世の記憶が主人公に恋をする理由なのかもしれないという点だ。
ただここまで他の名作を盗用しているのを見ると、私が無知なだけでこの設定もどこかで盗んできたものなんじゃないかと不安さえ覚えてしまう。
せめてここだけは桜町はるセンセイのオリジナルであることを祈るばかりだ。
複数の他人の作品を盗み、それを無理矢理魔合成するというのも恐らくそんなに簡単なことではないのかもしれない。
それはそれなりの人知れぬ苦労もあったのかと推測するが、そんなこと知ったこっちゃない。
よくこんなことをぬけぬけとしたものだと呆れてしまう。
しかもこの作者には描写力というものが皆無である。
ぶつ切りこまぎれのなんの味わいもない文章の継ぎ接ぎが延々と続き、ただの一文も心に響くものはない。
桜町はるというのはどこぞのプロのラノベ作家の別名のようだが、本当のペンネームはなんというものなのか知りたいものである。
本当のペンネームを隠して出版するというのはそれほど珍しいことではないと思うが、泥棒したという事実を隠すために名前を変えたのは桜町センセイくらいなものじゃないだろうか?
本作の唯一素敵な点は駄作にありがちな『表紙だけ』である。
なぜ駄作というのは表紙だけは素敵なものが多いのだろうか?不思議である。
とにかく買う価値ゼロの作品なので、たとえブックオフで百円で売っていてもお勧めしないということだけは保証する。