読んだ本や観た映画について個人的な感想をだらだら語る日記

とにかく読んだ本や映画の感想を垂れ流してます。いいところも悪いところも語るので時に辛口のときもあります。

僕は明日、昨日の君とデートする

僕は明日、昨日の君とデートする 著:七月隆文


150万部を突破した悲恋のラブストーリー。

トリックに関わるので細かい説明には言及しないが、二度読みたくなる類のトリックを用いている。
恐らく二度目は一度目と違う感動が得られるはず。
と言いつつ私は二回読んでいないが。

矛盾はないかな?とちょっと頭が混乱する類のトリックなので、そう言うところはあまり好きではない。
あんまり深いことを考えずにぼんやりと「そういうことなんだ」と思って読むといいかもしれない。

100万部を超える大ヒットだが、ブームの始まりは口コミからというのだからなかなか凄いことだと思う。
アマゾンの感想欄などではなにやらのパクりだとか熱く叩いている方もいるが、パクられ元を知らないのでその辺りは触れずにおく。

ただ今の世の中はなにを書いても似た過去の作品というものはあるので、よほど酷似してなければ仕方ないところもあると思うが。
でもパクりパクられは見れば分かるものだ。
別の人間が相手の作品を知らずに似た作品を書くと、設定は似てても内容は当然全然違うものになる。

以前ご紹介した桜町某センセイのように有名どころから剽窃するとすぐバレるので、一生ものの汚点を晒すことになる。

本作は突飛なメイントリックを知るまではなんだかごく普通の、ちょっとご都合主義の目立つラブストーリーだ。
しかしメイントリックを知るとまるで違うものに見えてくるから不思議なものだ。

やや残念な点としては主人公とヒロイン以外はほぼモブキャラということだろう。
人物造詣がまるでないので、主人公の幼馴染みやら友人などはなんだか無理矢理取って付けたような個性が浮き上がっている。

数はいるものの掘り下げがない登場人物しか出て来ないため、ほぼ二人の話となってしまっているから底の浅いストーリーに感じてしまうのが残念なところである。

しかしそれを補ってあまりある感動的なストーリーなので読む価値はある作品だと言える。

小説好きとしてはこのようなヒット作がもっとたくさん生まれ、小説が盛り上がっていくことを願わずにはいられない。